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2021.03.26

yukishiroさんへの独占インタビューを公開

ASH WINDERへの入社を発表された日本を代表するゲームキャスター yukishiroさんへ独占インタビュー

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株式会社ASH WINDER / ゲームキャスター yukishiro

<経歴>
オンラインFPSゲーム「CROSSFIRE」にてプロゲーマーとして日本代表に選出されるなど実績を積み重ねる傍ら、持ち前のトーク力を用いて実況者としても活躍。ゲームキャスターとしては国内最長レベルのキャリアを誇るベテランであり、これまでのゲーム大会文化の成長に大きく貢献してきた人物のひとり。今現在もRiot Games社の提供するタクティカルシューティングゲーム「VALORANT」の解説をメインとしたキャスター活動を精力的に行い、分かりやすい解説や持ち前のアドリブ力で人気を集めている。

─今日はyukishiroさんの経歴であったり、日本のEsportsについてなど、色々お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

yukishiro:よろしくお願いします。なんていうか、インタビューみたいなのは久々で新鮮な感じがしますね。

─キャスターさんのこれまでの経歴だったりEsportsに対する考え方であったり、普段大会で見ることのできない側面が見れると思うとワクワクしますね。

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自己紹介
─まずは今現在の活動について教えてください。

yukishiro:そうですね、現在は解説・コメンテーターとしてEsports大会に出演させていただいています。

『VALORANT』が正式発表された際に当時同じ会社に所属しつつキャスターとして活躍しているOooDaさんと共演したいという思いから解説をやらせてほしいとお願いし、VALORANTでは解説者として出演することが多いですね。

ですが、今までは実況として出演する機会の方が多く、キャリアとしても実況の方が長いですね。

プライベートでも『VALORANT』をプレイすることが多いです。

─元々プロEsports選手として活躍されていたとお聞きしましたが、キャスターに転向されたきっかけなどはありますか?

yukishiro:そこがちょっとややこしいんですが、実はプロ選手として活動する前からイベント実況者として活動していたんですよね。

かなり昔の話ですが、僕が最もやりこんだオンラインFPS『CROSSFIRE』で初のユーザー主催大会が開催されまして、そこで実況をしていたんです。

当時は今みたいな配信サイトとか主流なものが無かった時代なので、僕の実況をつけた完全な参加者向けの身内配信みたいなものだったんですけどね。

それを別の人が動画化してニコニコ動画にupしたのがきっかけで、当時『Counter-Strike』のCSCTLとかのイベント運営を行っていた株式会社成(現E5esports Works)の担当の方に目に留まったようで、「実況やってみないか」と連絡来たのが始まりでしたね。

これは今でも覚えているんですが、ちょうど僕が沖縄旅行帰りのレンタカーの中で突然電話が掛かってきまして。

そのタイミングではまだ沖縄にいたんですけど、「興味あれば今日打ち合わせしたいんですけど、ちょうど中野で『サドンアタック』の大会があってそこに行くので今から中野これませんか?」って言われて(笑)。

二つ返事で沖縄土産もって行きましたね。直行で。

─めちゃくちゃフットワーク軽いですね(笑)
でもそれが今のyukishiroさんにつながってると思うと些細なチャンスでも確実に掴むことの大切さを感じますね。

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プロ時代
─ビデオゲームに触れることになったきっかけとかってありますか?

yukishiro:えー、年齢は覚えてないですけど、きっかけとしては僕の親父が根っからのゲーマーだったことですかね。物心つく頃には家にファミコンやスーファミがありましたし、よく父とゲームしてましたね。

小学校のころはサッカーのクラブに入っていたり、中学の時は一瞬だけテニス部に所属して

いたこともありましたが、基本的には帰宅部でしたね。ゲームに触れてからはずっとゲームをしていて、中学に入るころにはすでにノートPCでゲームをすることを覚えてましたね。

─中学生でPCですか!一般的な感覚からすれば相当早い時期からPCに触れていたようですが、何かきっかけがあったんですか?

yukishiro:母がその当時PCを用いた通訳の仕事をしていて、タイピングが得意だったので、教えてもらいながらタイピングゲームやその他PCゲームにはまっていきましたね。

昔はブラウザ上で遊べるゲームやアニメ作品とかゲーム作品のタイピングゲームなんかもあったんですよ。家電量販店とかに行けばCDでPC用のゲームソフトが売っていたので、面白そうなのがあれば買って遊んで、みたいなことをしていました。

小学生のときは周りの友達とポケモンとかして遊ぶこともありましたが、中学に入るころにはディアブロとかやってましたね(笑)

─凄いですね(笑)。話は変わりますが、yukishiroという名前の由来ってあるんですか?

yukishiro:MMORPGを始める際に、当時は自分のゲーム名とかって持ってなかったので、何かいいプレイヤーネームないかなって探してたんですよ。その当時うちにはたくさん漫画があって、姉が全巻揃えていた漫画を呼んでいたときに『雪代縁』ってキャラクターが出てきたんですよね。そこで、「あ、これでいいや。」って思ってyukishiroになりましたね。

そこからネットマーブルが運営していたTPSゲーム『GunZTheDuel』ってゲームでもyukishiroでやってたんですけど、ゲーム内での知名度も上がってきていろんな人に名前を覚えてもらったので、もう名前を変える必要はないなぁと思ってそこから今に至りますね。

─元々は『CROSSFIRE』でプロゲーマーとして活動されていましたよね?プロゲーマーとしての活動を始めるきっかけってなんだったんですか?

yukishiro:『CROSSFIRE』はサービス開始初期からガッツリやりこんでいて、公式大会で優勝したりと良い結果が残せていました。

しかし、公式大会が減ったり、運営の方が変わったりしたのもあり、モチベーションが下がり、半年ほど離れていた時期があったんですよね。

その時に運営チームの方から連絡があり、ゲストGMとしてゲームの盛り上げに協力してほしいと依頼いただいたんです。

ただ、僕は運営サイドに寄りすぎるのが嫌で、ゲストGMの話はお断りさせていただきました。

けど、その代わりと言ってはなんですが、一人のユーザーとして『CROSSFIRE』に恩返しできる事もあるかなと思い、復帰して大会に出場しますと伝えました。

その活動のため最強メンバーを集めて本気で大会に勝ちにいかないかと声をかけて集めたチームが『Vault』というわけです。日本最強チームの誕生のきっかけですかね。

その後、公式大会できちんと優勝して、ご縁もあって『ARTISAN』にスポンサードいただいて、本格的にプロゲーマーとしての活動を開始しました。

─有言実行の優勝を果たしてプロゲーマーになったんですね!

─プロゲーマー時代のほっこりエピソードとかってありますか?

yukishiro:ほっこりですか(笑)。ちょっと難しいですね。

プロゲーマー時代は普通に練習して、普通に大会出てって感じだったので中々そういったエピソードが無いんですよね。

一つあげるとしたら、昔僕のチームメイトにはdelaveとかYamatoNなどの、今でいうところの『DeToNator』のメンバーがいたんです。

delaveはちょっと抜けてる人でして、世界大会に行くぞー!って意気込んでホテルで準備を整えて、試合会場にいざ向かうぞ!って時にみんなで歩いてたら後ろからなんか”スリスリ”って聞こえてくるんですよ。

よく見たらdelaveがホテルのスリッパを履いて試合会場に向かっていたんです。(笑)

緊張が張り詰めた場での「スリッパ事件」は爆笑しましたね。(笑)

─あまりこういったプロ選手の裏話を聞くことは無いので面白いです(笑)

─上手くいってるように見えるプロを引退した理由はありますか?

yukishiro:実はプロゲーマーとして活動しながら、キャスターとしての活動も行っていたんですね。ただ当時はキャスターではなく、「ゲーム実況アナウンサー」と言う肩書きで活動していました。

当時はeSportsというワードも無く、各パブリッシャーが自社開催でゲーム大会を行っていた位で、タイトルも少ない時代だったので月に1回あるかないか位のペースでキャスター業もこなしていました。

ですが、僕が『CROSSFIRE』の大会に出ていると『CROSSFIRE』の実況ができないんですよ、当たり前ですが。(笑)

だから、プレイヤーかキャスターかいずれはどちらか片方に絞らないといけないなとは考えていたんです。

プロ活動の潮時を感じた時期としては、新しいチームで国内大会に優勝し、世界大会WCGに出場した時に、自分でプレイしながら「頭の回転が遅くなってきたな、厳しいな」ってのを感じたんですよ。新しく作ったチームで今回は国内優勝を果たせたけれども、次も勝てるってビジョンが見えなくなってしまって。

世界大会が終わった後もモチベの高いメンバーはいたので、なら若手の選手がのびのびと

活躍できるように自分は引退してもいいんじゃないかな、潮時かなっておもってプレイヤーを引退し、キャスターに完全転向という形になりましたね。

25、26の時だったと思います。

─Esports選手としては中高年くらいに当たる時期で引退を決断されたんですね。

─若手の選手の中で記憶に残っている選手などはいますか?

yukishiro:そうですね。『CROSSFIRE』ではNoriseN選手が印象的でしたね。

NoriseN選手だけに限った話ではありませんが、圧倒的な反応速度などの若さあふれる強さを持つ選手が多く出てきた印象です。

他のタイトルであれば、『SpecialForce2』から上がってきているZerostやSylFyが印象的ですね。

みんな現在も『VALORANT』で活躍している選手ですね。

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Esportsキャスターの話

─今の本業であるキャスター業について聞いていきたいのですが、キャスターに完全転向した後の初めての仕事とかって覚えておられますか?

yukishiro:うーーん。ちょっと覚えてないなぁ!(笑)
まぁその当時は毎月くらいのペースで『サドンアタック』のネカフェ大会が開催されていたので、そのあたりなのか、『CROSSFIRE』の大会なのかって感じかなと思います。

─昨今では日本でもEsportsが盛り上がっていると思いますが、その当時はまだゲームは受け入れられにくいものだったと思います。そのころからゲーム大会のキャスターを目指した明確な理由とかってありますか?

yukishiro:キャスターを目指した明確な理由は持ってますね。

昔のゲーム大会と現在のEsports大会って、開催意図は違うかも知れませんが「Esports」って明言しているか否か位で内容はさほど変わっていないと思うんですよ。

主役は選手たちで、選手を目立たせる会場や演出があって、観客がいて、その選手を応援する環境に取り巻く実況解説であったり、デバイスの展示であったり、、大会の空間だけを見れば今でいう「Esports」も昔の「ゲーム大会」も何も変わらないと思うんです。

その中で、選手のプレイに驚いて歓声が上がったり、そこに自分が実況して発した言葉に載せられて観客が「うぉぉぉー!」ってさらに盛り上がったりするわけです。

「選手のプレイがいかに凄いかをよりわかりやすく伝える」っていうのが実況の仕事だとその当時から思っていたので、自分の実況で盛り上がってくれている観客を見た時に「この仕事は面白い、もっとたくさんの人に素晴らしさを伝えたい」と思いましたね。

この流れがもっと上手くいけば、大会を見るのが楽しいって思ってもらえるだろうし、見ているプレイヤーは「次は自分があの舞台に選手として立ちたい!」って思ってもらえるんじゃないかと考えてキャスターを目指しましたね。

─その当時って仕事の数にも限りがあったと思うんですが、キャスター業だけでご飯を食べていくのって厳しかったですか?

yukishiro:もちろんその当時はキャスターだけで食べていくなんて到底無理でしたね。
僕がFPSタイトルを専門としていたって事も理由の一つだとは思いますが、大きな大会はタイトルごとに年2、3回程度だったので、月に1、2回程度実況のお仕事をいただきながら、毎日アルバイトをしたり、イベント会社のお手伝いをしたりして生活していました。

─苦労されていたんですね。

─ご自身のキャスターとしての強みなどってありますか?

yukishiro:抑揚の使い方とかかな?後はアドリブ力と対応力ですかね。

自分自身がイベントの裏方に立っていたこともあったので、台本の流れと異なったり、咄嗟

のアクシデントの際も可能な範囲で対応する力はある方だと思っています。

他には、実況解説に集中しながら、脳の10%位をつかって周りのテクニカルの方やオブザーバーの方がどこの場面を放送しようとしているんだなって予測するのも得意ですね。

自分が喋ることは台本のように頭の中できめて、脳内の台本を呼んでいる間に周りを見ながら「次はなにが起きるな」って考えながらやることは無意識のうちに出来ていますね。

オブザーバーの方たちはびっくりすることもあるんじゃないかな?(笑)。画面を切り替えた瞬間にはその話題をもう話し始めていたり、前もって布石を打つような話題提供を出来ていると思っています。

─その冷静な思考はさすがですね。イベント運営側からしてもありがたい限りです。

─今現在キャスターとして努力されていることってありますか?

yukishiro:あーー、ダイエットとかですかね?

─え、ダイエットですか?見栄えに気を使ったりといった事ですか?

yukishiro:まぁそれもあるんですけど、最近奥さんによく言われるんですよね、太ったね。って。

でも、実際筋肉をつけてみると、声を張りやすくなったりといった変化もあったので、ダイエットも結構大切かも知れません(笑)。

もちろん自分が担当するのであればしっかりやろうってのが僕の信念にはありますので、取り扱うゲームには愛をもって接したいと思っていますし、そこは努力している点になりますかね。

─ゲーム関係だと何か努力している事はありますか?例えば『VAROLANT』であれば海外の大会を見て知識を取り入れたりとか。

yukishiro:うーん。少しは見る位ですかね。

今僕が『VAROLANT』でそういうことをメインとしていない理由としては、僕はあくまで大会の解説であってアナリストをしているつもりは無いんですよ。

なので、今海外の戦略はこうであるのに対して、日本の戦略はこうであると言ったことをつらつら並べるよりは、「初めて大会を見た人や見慣れていない人に向けても分かりやすく」「尚且つなんとなく凄さを理解しやすいような内容」に落とし込んでいるつもりなんです。

ですから、あまりそういった専門的なところを取り入れたりしようとは考えていないんです。

今はどんどんユーザーを増やしていかないといけなければならないターンに入ってきていると思うので、例えば「韓国には10組のチームがあって、このチームはこんな戦略でこういった特性があって~」って10組のチームを紹介しても駄目だと思うんですよ。

でも、「例えば韓国でトップを走っているVision Strikersというチームがいて、そこのチームはこういう構成です。」

これだけでいいじゃないですか。これ一つあれば「そんなに強いチームがあって、そのチームが採用している構成は強いんだろうな」と分かる。その情報だけインプット出来ればそれで十分かなと思いますね。

まぁ詳しい情報を是非聞きたいと思っている視聴者さんも中にはいると思いますし、実際僕の個人配信で「内容が浅いです、もっと深いことやってください」ってご意見下さる方もいました。

でも僕は先ほど述べたような意図で「深い話は今の段階はしないよ」って決めています。

そこまで深い情報を調べたりするのは個人の趣味の範疇になるんじゃないかなぁと思います。

まぁもし大会でやるのであればアナリストコーナーを別途設ければ良いですし。

─あまりにも専門的な、不必要な情報は今は必要ないんじゃないかってことですね。

─新しいキャスターの方に求めることなどはありますか?今後キャスターを目指す人にアドバイスなど。

yukishiro:そもそもな話、Esportsキャスターって特殊なものだと思っています。

もちろんテレビのアナウンサーもそうだけれど、Esportsキャスターはゲームに対する専門的な知識だったり、視聴者のニーズに答えられるほどの知識を持っていることが大前提になってくると思うんです。

そこに答えるためにゲームの勉強をしたり、発声の練習や言葉の練習をしたりだとか、専門性のある知識を兼ね備えてがんばっていかなきゃいけないことがたくさんあって。

今Esports界の最前線を走っているキャスターの方や、元テレビ局のアナウンサーの方がEsportsキャスターに転向しましたって話も聞きますけども、鍵になってくるのは「Esportsは副業ではなく専門職である」と理解し本業として精一杯がんばっているってところ。ここだけだと思うんです。

今はまだEsportsキャスターだけで食っていけるかと聞かれれば「頑張れば食っていけるよ!」と明確に答えることはできないと思います。ですがEsportsキャスターとして活躍している方たちはみんな本業としてやっているから業界が成り立っていると思います。

これからキャスターを目指す方も、リスクや不安も承知の上で、自分がこの分野の開拓者になるんだって気持ちでやっていくことが必要だと思いますね。

─とても深いお話ですね。

yukishiro:言いたいこと伝わるかな。アドバイスになっていないかも知れません(笑)。

─キャスターとして弟子を取るとかって考えてますか?

yukishiro:まずは一人欲しいなと思いますね。

OooDaさんや岸さんと仲良くさせていただいていますが、OooDaさんとはよくイベント後に「今回の出演ではこう言ったところが気になったね」だったり、お互い気になった点などを話あっていました。お互い刺激しあえるのってキャスター同士に限ると思うんですよ。

他には、月にも寄りますけどスケジュールがかぶってしまったり、タイトルへの向き・不向きも含めて、お声がけいただいても僕では対応仕切れない部分が出てくるとは思います。

そういったときに後輩というか、後続のキャスターを育てながら様々な仕事を共有、協力していけたらいいなって思いますね。

─先ほど仲のいいキャスターのお話が出ましたが、どういったお付き合いをされているのですか?

yukishiro:OooDaさんとはダントツで仲がいいですね。岸さんも仲良くさせていただいています。

何回かお互いの奥さんも一緒にご飯に行ったりしましたね。たまにですが。

後はOooDaさんの事は凄く尊敬していますね。

人間性というか、もちろん実況のスキルもありますし、ずる賢いところもありますけど、そういった諸々を含めて彼のことはとても好きですし、尊敬しています。

岸さんもOooDaさんとは違う道でキャスターの文化を切り拓いて来た開拓者なので尊敬しています。

今では共演させていただく機会も増えておじさん同士でわちゃわちゃ喋っちゃう悪い癖もありますけど、まぁいいかなと思って喋っちゃってますね(笑)。

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ASH WINDERに入ることになったきっかけ

─今回、ASH WINDERに入社することになった経緯って教えていただけますか?

yukishiro:明確なキッカケは正直よく覚えていないんですが、敢えて挙げるならASH WINDERの社長であるGrahamさんにとても気に入ってもらえたことがキッカケでしょうか?

元々「A.W EXTREME MASTERS 」にご招待いただき、国内大会とアジア大会共に連日解説として担当させていただきました。

その際、解説でもありながら、キャスターとしても振る舞いであったり、他の演者への積極的なサポートといった点を評価していただけたようです。

─ASH WINDERへの入社を決心した理由ってありますか?

yukishiro:ASH WINDERへの入社を決めたのは、僕自身の能力と人間性を高く評価してもらった点に加えて、元々前職はメインで別の仕事をしていて、休日にEsportsキャスターとして出演するという二足のわらじ状態になっていたことですかね。

その状態だと、どっちつかずになってしまっていて。

正直、Esportsキャスターに専念していきたい気持ちと、子供もいるので生活面も安定させたいって気持ちもあって悩んでいたときに、Grahamさんにお誘いいただいたので、入社を決意しました。

ASH WINDERってすごいなって思う点もたくさんあって、まず僕の中では世間一般的な会社とは全然違う。

社長のGrahamさんは年齢だけで見れば僕の一回り下だし、その下でAWEMを運営していたスタッフ陣はもっと若い。

みんなとても若い中で、自分がEsportsを成功させて尚且つ食っていくためにグイグイ行く、そのあまりにも前向きすぎる姿勢がとても素晴らしいと思うし、尊敬しています。

他にも、Grahamさんの無茶ぶりですかね。普通って何か新しいことをやろうとしてもリスクを考えて足踏みしてしまったり、中々実行に移すのって難しいと思うんですけど、Grahamさんはとりあえず動く。なんでも挑戦の精神でやろうと思ってすぐに動く。そのGrahamあっての推進力ある会社だと思いますし、僕自身もこういった熱意に満ちた環境で刺激か欲しいと言うのもあって、この会社に入社することを決めました。

─ASH WINDERに入社した2021年の意気込みなどありましたらお聞かせください。

yukishiro:まずは自分自身の価値を高める必要があると思っています。

去年は様々なご縁に恵まれて、たくさんのイベントに出演させていただきましたけれども、今年はASH WINDERに入社したことによって、タレントにほぼほぼ振り切った活動ができるので色々な仕事にキャスターとして関わって行きたいと思います。

もう一点はASH WINDERがどう言う会社なんだよ、こんなに面白い会社なんだよってのを少しずつ宣伝していきたいですね。

外の意見から言うと、世間的には間違いなく「よくわからない、ちょっと変な会社」だと思われてると思いますよ(笑)。

ある日突然超巨大なEsportsのPCバン(Esports施設)を運営している会社として出てきて、そこが突然Esports大会やりますって言い出すもんだから、そりゃぁびっくりしましたよ。

それが蓋を開けてみれば、一カ月にもわたるイベントを運営し、制作物にもこだわり、アジア大会まで開催して同時接続4.2万人もの大会をやってのけたと。とんでもない話です。

実際にこの会社に入ってみて色々分かったのは、とてもEsportsに真摯に取り組んでいて、これからの日本のEsportsをよい方向へ引っ張ってくれるんじゃないかなと。

僕はそういったASH WINDERの素晴らしい面をもっと宣伝していきたいですね。

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日本のEsportsについて

─2020年は「Esports元年」と言われ、日本のEsportsシーンが次のステップに移ろうとしているのかなと感じますが、yukishiroさんは変化を感じたりしますか?

yukishiro:Esportsって日本ではまだまだ文化にはなってないなと思います。

僕が考える文化っていうのは、教科書にも当たり前に載るような事だと思っていて。

ゲームって良い表現もあれば、悪い風評もありますし、「ゲームを本気でやっている人たち」で止まるのではなく、きちんと「Esports」という文化に落とし込む。「Esports」という競技があり、そのための選手がいるんだよって言うことをもっと幅広い層に認知してもらえればいいなと思いますね。

─Esportsが文化になるために、課題点やここは駄目だなって思う部分などはありますか?

yukishiro:いやー、難しいな(笑)。これ言っていいところと触れちゃいけない部分があると思っていて(笑)。

ただ、僕としては暗い話ばっかりふれてちゃしょうが無いんじゃないかって考える派なんですよね。

Esports関係者やEsports市場に詳しい立場からすると、いろんな暗いニュースを耳にするじゃないですか。選手への給料未払いであったり多少なりとも問題はありますし、クリーンにしていかなきゃいけないのは当然なんですけど。

じゃあそれがあるからEsportsは悪い文化って思われないことが一番いいなとは思っています。

望んでいることがあるとすれば、今最前線を走っているEsports選手は「Esportsという広い定義の一つの宣伝塔になっている」ということを意識し、そこをわきまえた振る舞いをしてほしいなと思います。

そういった点では格ゲーの界隈はそのあたりがとてもしっかりしている印象ですね。

例えばテレビ局がEsports選手をインタビューしようとなった時には、有名なチームなどが当たりますよね。そこが、世間一般にむけた「これがEsportsの選手です」というEsportsを代表した宣伝塔になるわけじゃないですか。なので、日頃からそこを代表している存在として「ただのいちEsports選手としてだけではなく、今の日本のEsportsのイメージ全体を担っている存在なんだ」と自覚してほしいと思います。

ちょっと難しいですかね(笑)。

─Esportsを通して人生に影響はありましたか?

yukishiro:Esportsといいますか、ゲームに関しては影響ありまくりですね。

ゲームが好きだったからプロゲーマーになった、ゲームが好きだったから自分がこれをやりたいっていう天職に出会えたって面では本当にゲームに感謝しています。

ゲームで奥さんと出会って結婚してますし、僕の人生はゲームで埋め尽くされていますね(笑)。

─最後に、yukishiroさんのようなキャスターだけでなく、Esportsに関わる仕事に就きたいという若い人が増えていると思いますが、そういう人たちへのアドバイスはありますか?

yukishiro:とても概念的な話にはなりますが、自分の中で「なぜそれをやりたいのか、どうしてそれをやろうと思ったのか」を常に覚えておいて、いつでも口に出して説明できるようにしておいた方がいいとは思います。

実際Esportsに関する仕事を始めるとして、自分がEsportsでやりたいことが明確に決まっている場合もあれば、まだ明確なことを決められずにぼんやりとEsportsに関わることをしてみたいなぁと言う人もいるでしょう。

Esportsに関する仕事って蓋を開けてみればさまざまな細かい役割やポジションに分かれているので、どれが向いているか実際にやってみないと分からないんですよ。

ただ、全ての元には「Esportsの大会が盛り上がっている雰囲気が好き!」とか「選手が切磋琢磨しながら頑張っている姿を見るのが好き!」と言ったEsportsに関わりたいと思った原点があると思うんですね。

そこを忘れず、意識しながら働き続けてほしいなっていうのはありますね。

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─ありがとうございました! yukishiroさん、今後も引き続きよろしくお願いします!

yukishiro:ありがとうございました!